以前、脳関係の本を読んでいたら、脳というのは、状況にあわせて自分の都合の良い話(嘘)をでっち上げる機能があるという。 (作話というらしい。) これは脳にとって好都合なことらしいのだが、問題は本人は作話したという意識を全く持たないで、作話してしまうこと。 したがって、本当は真実は別にあるのだが、そのことに全く気づくことがない。
以前「検討要素組み合わせツール」というものをつくることに関わったことがあるのだが、 それってこの「脳が勝手に作話」的な脳の不都合な性質の回避に役立つかも。
最近、次のような問題があった。 (1)旅行で数日家をあけるから新聞を止める必要がある。 (2)しかし、新聞を止めることを新聞店に通知することでそこから情報が漏れる(可能性)があるのは嫌だ。 (3)できる限り、新聞を止める日を少なくすることはできないか?
はじめは単純に旅行日程中全部に新聞を止めないといけない、としか思いつかなかったが、 よく考えてみると旅行最終日は、別に新聞を止める必要がない。昼頃に帰ってくるから、そのあと新聞を回収すれば特段の問題はないであろう。
しかし、さらによく考えてみると、出発日も新聞を止める必要はない、と気づいた。新聞は早朝にポストされるし、そのあと出発するのだから。
これは作話とは少し違うと思うが、 新聞を止める=旅行日程全日止める必要あり 、という思考のショートカットが起きてしまっている。月間カレンダーを見ながら一日を単位として判断してしまうと、それしか思いつかない。
しかし、一日を24時間で区切って時間単位で旅行日程を考えれば、出発日と最終日は新聞を止める必要はないことに気づく。
検討要素組み合わせツールとは、検討対象に、 5W2Hなどで要素を書き出し、これを機械的に組み合わせて検討する…というツールです(詳細は割愛)。
新聞問題で言えば、
という情報を検討要素組み合わせツールから提示されれば、この日の新聞は止める必要がない、ということは自明になる。
問題解決というのは意外にさまざまな要素が関わってくるので、 それらを脳内で勝手に判定させないで、 要素ごとに書き出し、提示し直して判定するという思考活動は、 その手間に見合う価値がある意思決定に関しては、予想以上に役に立つ可能性がある、と。