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Thinking

何かを改良するということ・変化させないこと・よい方向へ変化させること、そのとき参考になること

何かを改良したり、(多くの変化がわるい方向への変化であるということを前提に)変化を食い止めることを頭で考えようとするが、 うまくいかない場合がある。 そんなとき、人間の身体のしくみになぞらえてみて、そことの矛盾がないかを考えることがある。

すべては本で得た知識と日常体験からそうだと思っていることにすぎないが、 人間の身体のしくみで、以下のポイントがある。

必要なものだけ必要なタイミングで吸収しあとは捨てる

新しく仕事をはじめたり、新品のPCを買ったときに妙に生産性が高くなる気がする。 しかし、しばらく時間がたつと今すぐは必要ではないが有用と思えるものが溜まってきて生産性を落とす...とか、 本がたくさんありすぎたり、大量の情報(や情報を書いた書類・メモ)を持つようになると、 かえって生産性が落ちる。

トヨタの看板方式ではないが、瞬間的に今必要なものだけを手元に置いておくことがもっとも生産性が高くなる。 しかし、今必要なもの、というのは刻々と変化するので、ポイントは、「今必要としているものだけの状態」 の方ではなく、そのような状態を常につくりだすシステムを持てるかどうかの方にある。

身体の構成物は(見かけは変化していないにも関わらず)すべて入れ替わっていく

アミノ酸とタンパク質

タンパク質を構成しているアミノ酸は、常に古いアミノ酸から新しいアミノ酸へと入れ替わっています。
このため約1ヶ月周期で、全身のたんぱく質は新しくなります。 一部は再利用されるのですが、約50%は新しいたんぱく質と入れ替わります。

見た目や機能の変化はないのに、かなりの短期間でその構成物は完全に入れ替わっていくというところがポイントです。 常に変化していなければ現状維持することができない、ということだと思います。

逆に言えば、同じアウトプットを出すシステム(仕事といってもいい)も、そのシステム内部が常に 変化(よい方向への変化)がなければ、ダメになる、ということだと思います。

人間(動物・植物)は死ぬ(同じ個体を改良し続けるのではなく世代交代してリセットする)

ソフトウェアの開発でも同じ機能をもつソフトウェアをスクラッチで0から書き直すと劇的によいものになることがあります。 頭で考えると、既存に動く実装があるのだから、そこからプラス・マイナスして前進していった方がよいように思います。 しかし実際には 古い実装を引きずっていると ある段階から先に進むことができなくなるのではないでしょうか。

動物や植物がずっと生き続けるのではなく、世代交代するシステムを取っていることは、 いったん0から再構築することの価値を示唆しているような気がします。