わたしは、3年前くらいからブログをはじめたのですが、はじめの2年間はまったくアクセスがありませんでした。 アクセス統計をとってもあまりのアクセスの少なさに嫌気がさして、しばらくして、統計を見ないようになってしまいました。
そんな状態だったので、はじめた当初こそSEO対策をはじめアクセスを得られる方法を考えて記事を書いていましたが、途中から、自分用のメモとして、ひとつひとつのエントリーの品質をあまり考えないで気楽に書くようになっていました。
自分用のメモとはいえ、公開してプロフィールも書いていたので、 エントリーを読んで自分以外は意味不明、というのは恥ずかしかったので、 グーグルなどの検索エンジンから飛んできた訪問者が、 最低限、ひとつのエントリーで内容の意味が把握でき、なんらかの解決策を提示するようには、 心がけていました。
変化が起きたのは、2008年のはじめです。 久しぶりにアクセス統計を見てみると、自分が思っていたよりは、アクセスがあったのです。 それからは、ちょくちょくアクセス統計を見るようにして、些細なエントリーでも書いてページ数が増えると、それなりに右肩上がりにアクセスが伸びてきたので、励みにしてきました。
2008年末現在、まだまだウェブ活用コンサルとしてPRできるような成果にほど遠いものの、 開発系技術情報 × 日本語 × ビックキーワードがないというある意味、マーケット狭すぎ・アドセンス広告主なさすぎなハンディキャップを背負った分野のブログとしては、なかなかがんばっているんじゃないかと自分では思えるくらいのアクセス数にはなってきました。
今回は、年末でもありますので、ちょっとそのあたり、わたしがここまでブログを続けてこれたポイントについて振り返ってみます。
ワインバーグ氏の最近(といっても結構前だが)の著書に 「ワインバーグの文章読本」という本があります。 ここに、文章の書き方として、自然石構築法(The Fieldstone Method) について説明しています。
「自然石構築法」による文章作成術とは…
という手法です。
これがなぜ自然石構築法と呼ばれているかというと、このスタイルでの文章作成は、ちょうど自然石を使った石壁職人がやっている行為と似ているからです。
つまり、自然にあるさまざまな大きさ・形の石を使って、石壁を作る場合、 まずはじめにすることは、とにかく自分がつくりたいと思っているような イメージに合う石をとにかく野山に分け入って、集めてくるところから仕事がはじまります。
次のステップとしては、それら集めた石を壁として組んで見るわけですが、自然石なので、必ずしもきれいに積み上がるわけではありません。
といった感じで、とりあえず組んでみて全体の石壁イメージを確認し、イメージに合わなければ 取り壊し、足りない部分があれば、また野山に分け入って石を探してくる・・・
そんな試行錯誤を繰り返しつつ自分のイメージにあった石壁を完成させていく、というプロセスが、ちょうど、ワインバーグ氏が考える、文章作成方法に似ている、という話です。
あくまでこれは、わたしが理解した範囲での話なので、 関心を持たれた方は、本を読んでみてください。
などプログラマには馴染みのある本を出版している方です。 とくにわたしは、コンサルタントの秘密が好きで、10年くらい前に買った本ですが、 いまだに時々みて楽しみつつ参考にしています。
ワインバーグ氏の自然石構築法の紹介という前置きが長かったですが、 自分が意識しないで実践していたのはまさにこの自然石構築法だったからだと思うのです。
確かにアクセス得られるサイトやアフィリエイトをねらうサイトでは、 テーマによって成果が大きく違うため、テーマ自体の選定が非常に大事になります。 サイトへの訪問者を意識して、 彼らの抱えている問題に対する解決策を提供するようなコンテンツを 提供しなければなりません。 (たとえば、とほほ氏のサイト はその点よくできていて、お手本になります。)
一方で、わたしのブログのエントリーのように、Makefile とは何かの説明なしに、いきなり Makefile を使って xmlの拡張子を持つファイルだけをまとめて扱う方法 とかでは、不親切すぎるわけです。
しかし、はじめから、人気の出るテーマ/アフィリエイトに適したテーマを設定して、 それに沿ってコンテンツ作るということになると、 ほとんどのブログを書く人にとって、それは相当苦痛だと思います。
自然石構築法からの引用で言えば、 「ツチブタの飼育の基本に関する重要なアイデアを5つ探しなさい。 次に、その5つをもとにアウトラインを組み立てて、1000字のエッセイを書きなさい」 という宿題が出たときに壁にぶちあたってしまう、という行と同じです。
たとえば、すでにブランドが確立していて、
どのくらい書けばどのくらいリターンが得られるかの見込みがもてる場合は、
収入が得られるという明確なインセンティブがあるので、
(書くことがあまり楽しくない場合でも)
苦痛に耐えられるかもしれません。
しかし、自分の「書く」という投資に対して、そのリターンがどのくらいかの
見通しがはっきりしない人にとっては、
世の中に「受ける」という理由だけで選択したテーマでコンテンツをつくっていくことは、
苦痛すぎて続けるのが難しいと思います。
さらに、見込みのあるテーマであれば一層ライバルもいて、状況は厳しくなります。
もちろん、世の中に受け入れられるテーマ、しかもその内容に対する広告主も多いような分野を テーマにしながらもそれが自分の興味・書きたいことと重なっているケース、 というのはあると思います。
- 英会話の勉強ブログ
- お金の投資に関するブログ
- 病気体験・克服体験談
- 南の島に住んで生計を立てるブログ
英会話やお金に関するテーマは、自分の書きたいことと世の中ニーズと重なりやすいと 思うのですが、2008年末現在では、それはもうライバルが多すぎてこれから はじめるには、単に楽しいから書くなんてことでは勝てそうにもないです。
病気体験・克服体験談、南の島・・・というのは、いいかもしれません。
なので、多くの人にとっては当てはまらないものの、人によっては、 幸運にも書きたいテーマと世の中に受け入れられるテーマが重なっている人もいると思います。
したがって、そういう接点を意識してテーマを探すことに時間をかけるのは 大事なことだとは思います。
そこで、オススメの方法が、自分が書きたいことをとにかく書いて数を積み重ねていく方法です。 テーマ設定などしないで、ひとつひとつのエントリーの品質に気を配らないで、 とにかく書くことだけに集中していきます。目的は数を増やすこと。
##自然石構築法に集中できるよう環境を整える
ここで障害になるのが、書くこと以外に体力を使ってしまうことです。 とにかくアウトプットしか評価されないから、アウトプットをたくさん出したいのですが、 実際には、アウトプットを出すまでに書く方の人間はいろいろな準備をします。
とか・・・いろいろなアプトプットを妨げるような要因が出てきます。 そういう要因をできるだけ取り除いて、ブログを書く・内容を考えるという本質的なこと=本題に たくさん時間をかけることのできる体制を整えることが必要です。
そういった本質的なこと(=本題)にすぐに入れるように 以下のようなことを実践しています。
数を書いて、アクセスもそれなりに集まってきたら、次にアクセスアップ対策を考えます。
書きたいことを書くのがまずは続けるためにも基本、と思っている わたしがこのようなことを考え出したのは、アクセス統計を見ていて、必ずしも、有用なコンテンツにアクセスがあるわけではない、ということ厳しい(寂しい?)現実に気づいたのです。
具体的には、私のサイトにJavaのドラッグアンドドロップ実現方法に関するエントリがあるのですが、これが、Nokia NM706i ファーストインプレッション、といったエントリに軽々とアクセス数で負けてしまうわけです。
そのほかにも口内炎で苦しんだというエントリが(すみません、技術系をテーマにしながら全く関係ないエントリです)結構アクセスがあるんです。
もちろん、これらについて個別のエントリについて、なぜアクセスが多いかについて詳細調査したわけではないので、本当のところはわかりません。
たとえば、何か「なんたら小町」で誰かこの口内炎エントリを解決策として紹介したからアクセスが多いだけかもしれません。
しかし私が思うに経験上の感覚的な判断としては、以下のようなものです。
ということです。 つまり簡単に言えば、内容よりアテンションを得られるキーワードを使ってブログを書いているかどうかが 実際にはアクセス数に大きな影響を与えるということです。 この結論は、どのSEO本にも書いてあることですし、そして、ちょっと寂しいですね。でもそれが現実で仕方ないですね。 当然、訪問してきた後、アテンションのあるキーワードが含まれているだけで、内容がなければ、すぐ立ち去ってしまうので、アテンションさえ得られればいいわけではない。
そして、これらのことから、わたしが得た結論は…
ということです。
たとえば、単に iアプリの開発しました と書くのではなく、NM706i(NM705i)対応のiアプリ開発しました と書くことで、自分の良心を痛めることなく、 アテンションをもっと多く得られるわけです。
自然石構築法を使って、いろいろテーマのエントリーを自分の書けるレベルでたくさん積み重ねていると、それなりに傾向が出てきます。 わたしの場合は、過去エントリーをざっとみると、以下のようなテーマに分類できます。
これらテーマと実際のアクセス統計を見比べて、 世の中的にどのテーマに関心があるのかを把握します。 テーマの中でアクセス見込みのある ものを見極め、そのテーマについてさらに掘り下げたり、 まとめページをつくるなどして、アクセスがもっと増えるように工夫します。
このとき注意しなければならないのは、サイト全体のアクセス総数が少ない段階では、
アクセスがないからそのテーマはダメと、いいきれないことです。
アクセスが少ないテーマについても、実際には、世の中ニーズはあるのだが、
書き方が悪いため(つまりSEO的にNGなため)アクセスがない、という可能性もあります。